とやま呉西圏域共創ビジネス研究所 第3期
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

事業レポートReport

とやま呉西圏域共創ビジネス研究所第3期5日目
圏域の地域課題とビジネスチャンス②

日時:令和元年11月8日(金)15:00〜18:00
場所:富山大学高岡キャンパスH283演習室

とやま呉西圏域共創ビジネス研究所の5日目が開講。魚津市から講師を招き,「魚津三太郎塾」の取り組みと修了塾生の地域課題解決のまちづくりへの取組事例をヒアリングし,地域資源を活用した地域課題と企業の課題解決していく取組事例からのケーススタディをおこない,ビジネス手法での地域課題解決について理解を深めた。

前半講義
圏域の地域課題とビジネスチャンス② 魚津三太郎塾の取組

講師:魚津市企画政策課企画係 伊串祐紀氏
魚津三太郎塾の取組

 富山大学と魚津市が平成23年度より共同開催している人材育成塾「魚津三太郎塾」について説明。

開講の背景として,平成21〜22年度に魚津市職員15名が参加して実施した富山大学地域再生行政人コース(地域資源を活用したまちづくりプロジェクトチーム)で将来の魚津地域を担う地域産業人の育成が必要であるとの提案から平成23年度よりスタートし,現在第8期と続いている。この取り組みの背景には,魚津市の人口減少があると1995年から2015年の推移と2040年将来予測および年齢別人口構成の変化から説明。

事業所数の減少状況から魅力的な仕事を創っていく人材が地域に必要であるため地域リーダーとなる人材の育成が急務と判断し開塾へ向かったと説明。魚津市の豊かで多様な自然環境(2500m級の山から1000m深層海まで急流河川で結ばれ)流域全体がコンパクトに1つの市内で完結している地域は世界的にも希であることからこの水循環を地域資源に活用し地域課題を企業課題として捉え,更なる企業の飛躍を図るケーススタディ実施して将来の産業界を含む地域リーダーの育成を目指していると説明。魚津三太郎塾では地域の課題解決をビジネスでおこなうこと,魚津の水循環をテーマとし活用や保全することや地域にこだわることで他との差別化を図っている。環境と経済の両立・CSVといった要素を盛り込んで企業や第2創業の手助けをしていくことを目的としていると説明。産学官金の連携を図り,60名を越す修了生は連携を図って活動していると紹介。

三太郎塾の視点キーワードとして「環境ビジネス」「社会的課題」「地域的課題」「価値の創造」の4つを上げ,社会課題と企業課題の共通価値を創造(CSV)できれば地域課題と経済の両立は可能となることを目指し取り組んでいると話した。

〜魚津印刷の事例〜

講師:魚津印刷株式会社 森内将史氏
〜魚津印刷の事例〜

 魚津三太郎塾第1期生時代に企画立案し実行した「にいかわの守紙」事業について紹介。

魚津印刷株式会社の業務内容や企業概要と自身の職種や仕事内容,印刷業界を取り巻く背景や企業課題などについて説明。第1期魚津三太郎塾へ入塾した動機は担当していた魚津市役所担当者から誘われて軽い気持ちで参加したと話した。

魚津三太郎塾の講義や塾生仲間との交流を経て,魚津の水循環を守るためには水源地にあたる森の維持のためには安定的な間伐が必要なことや山林放置など課題を学び,企業課題と地域の課題を本業の印刷業で解決できる手段を模索し,魚津の間伐材を原料に印刷用紙を製造して自社の印刷材料にしたいと考えたと経緯を説明。取引先の紙問屋への問合せ,その後の製紙メーカーへの直接交渉したことなどを紹介。

メーカーでの説明で間伐材の主たる針葉樹は米袋や茶封筒にはできるが印刷用紙には不向きであることがわかり,製紙会社が入荷した魚津の間伐材の量に応じて、製造した紙に間伐材が配合されているとみなすクレジット方式で魚津印刷と新川森林組合,中越パルプ工業が協定を結んで取り組み,その紙(にいかわの守紙)を魚津印刷が買い取る形で実現させたと説明。魚津印刷の紙を使うことで魚津の森林が守られるというシステムを構築し,これを修了式でポスター発表したと話した。

  • 質疑応対

魚津印刷の事例内容について研究生からの質疑に対応した。間伐材の買い取り価格についてや紙問屋との関係やサプライチェーンについて状況説明を加えた。企業メリットなどに関して価格競争でなく環境という付加価値での営業ができるようになったと話した。

  • 討議① 〈テーマ〉魚津印刷の事例について

個人ワークとして各研究生は,地域課題は何か,企業課題はドコか,課題解決に至ったポイントや地域と企業の将来の展望は何か等事例からのポイントをワークシートに整理して記入。2グループに分かれて各研究生がまとめたポイントや考え意見を交わし討議をおこない考えのブラッシュアップを図った。グループ討議の中に講師の2名も入り各研究生と意見交換もおこなわれた。各グループの代表者がディスカッション内容を発表,全体での共有化がはかられた。

  • 代表者発表
グループA

「うまく行ったコツは人の話を聞くこと」というキーワードをもらった。
持続可能な社会実現のための取組、WinWinの関係づくり,付加価値の大切さ,環境に優しいことは良いということを学んだ。

グループB

間伐材の問題点を聞くきっかけでそれにすぐ反応して行動する行動力に感心した。
環境がビジネスに,コミュニティがビジネスになる時代だからこそ付加価値の高いビジネスを生むキッカケとなったと思う。

後半講義
圏域の地域課題とビジネスチャンス② 「魚津三太郎塾」〜修了生の活躍〜

講師:魚津市企画政策課企画係 伊串祐紀氏

魚津三太郎塾修了塾生の事例を紹介。第1期生として自身が取り組んだ魚津水族館の富山の生物多様性コーナー設置や自然体験コミュニティについて解決する企業・地域の課題を明示してプラン化や具体的実施事例として説明。

また修了塾生の取組事例として修了式のポスターと実施状況を示して解決する企業課題と地域課題を詳しく説明した。また,これまでの60名を超える修了生の様々な活躍により魚津三太郎塾を核として大きな広がりを形成していると話した。

紹介事例:水産加工業者の地域食文化伝承と自然環境保全を共通解決する事業,日本料理店の低迷した売上と豊かな自然環境PRを共通解決する事業,デザイナーの地域での認知度と地域商品の良さが伝わりにくいデザインが多いとう課題共通解決する事業,みそ店の伝承的食文化伝承と食(素材)へのこだわりを共通解決する事業,私立高校の生徒数減少と地域の人口減少という課題の共通解決を目指すプロジェクト事業,フリーランスママの働き方と少子化の共通解決を目指す子育てコミュニティ事業,事業後継者問題と地域農産物の活用を課題解決するリンゴ園と和菓子店の取組み事業,里山荒廃と自社原料の安定確保・コミュニティづくりをしている藍染め職人の事業,ガラス店の地場漆器とのコラボ商品開発事業

  • 討議② 〈テーマ〉魚津三太郎塾修了生の事例について

各研究生は前半討議と同様に2グループに分かれて各々が今回紹介された事例について気になった点や興味を持った点,感想などをグループ内で交換するグループディスカッションがおこなわれた。各グループには講師の伊串氏と金岡教授も加わり,各事例についの補足説明や質疑に応え各研究生の理解を深め,グループ内で情報共有を図った